カルパッチョというと、新鮮な生魚をマリネし、トマトや玉ねぎなどのサラダと一緒にいただく料理が思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
洋風の味付けなので、西洋から広まった料理だと思う方もいるでしょう。しかし、実は魚介のカルパッチョは、日本人シェフの創作から広まったのです。
西洋ではカルパッチョは肉料理
ヨーロッパには、日本の魚介のカルパッチョの元となったオリジナルの「カルパッチョ」という料理があります。しかし、魚ではなく生の薄切り牛肉にチーズやソースをかけて食べるという肉料理なのです。
カルパッチョという料理名は人名から取られています。15〜16世紀に活動したイタリアの画家ヴィットーレ・カルパッチョが、生の牛肉にパルミジャーノチーズをかけて食べるのを好んだことから、この名前がついたという説が知られています。
このカルパッチョが日本に伝わった時、イタリア料理の先駆者として名高い落合務が、牛肉を魚の刺身に置き換えてアレンジしたのが、日本でよく知られる「魚介のカルパッチョ」の起源だと言われています。
ペルーの魚料理セビーチェ
南米のペルーでも、魚介のカルパッチョとよく似た「セビーチェ」という料理が国民食として親しまれています。生の魚をさまざまな香草、スパイス、レモン果汁でマリネしたもので、日本人にもとても親しみやすい味として知られます。
セビーチェには、白身魚の他、貝やイカ、タコも使われます。